強度行動障害・破壊的行動障害・レム睡眠行動障害の違いとは?

強度行動障害。

「激しい不安や興奮、混乱の中で、

攻撃、自傷、多動、固執、不眠、拒食、

強迫などの行動上の問題が強く頻繁に日常生活に出現し、

現在の養育環境では著しく処遇困難になった状態」

と定義されています。
初めて強度行動障害の概念が定義付けられたのは1988年度。

「強度行動障害児(者)の行動改善および処遇のあり方に関する研究」

(財団法人キリン記念財団助成研究)が

強度行動障害の概念を定義付けました。

 

当初「強度行動障害児」の対象とされたのは、

自閉症児、精神薄弱児、

精神病児などと広範囲に及んでいました。

 

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強度行動障害について

自閉性障害や知的障害などが医学や教育からの概念であるのに対し、

強度行動障害は行政概念です。

 

激しい行動障害がもたらす本人の荒廃や家庭の崩壊などの惨状に対し、

人権を保障する福祉の立場から定義づけられたのが強度行動障害です。

強度行動障害は、

自閉性障害や知的障害などの

医学的障害概念に新たな概念を加えたものではありません。

不満な表情の女の子と教師

 

強度行動障害は、

個々のケースが生来的に持っている資質そのものではなく、

不適切な育て方との相互交渉の中で形成された状態像であり、

適切な働きかけによって軽減することが可能だという前提が含まれています。

 

強度行動障害の発端には

本人の生物学的な背景からもたらされる特異な行動があります。

 

人間の心身の働きをコントロールする脳細胞は、

生理的に胎生8ヶ月以後は再生しないとされています。

 

再生しない期間に生じた

脳細胞の損傷に起因する特異な行動が、

強度行動障害の発端だとされています。

 

問題を深刻なものとしているのが、

特異な行動の意味を養育者が受け止められないことです。

 

養育者が行動の意味を正確に把握できないと、

本人のストレスは増大します。

 

増大したストレスは、攻撃、破壊、

自傷などのさまざまな行動障害として現されます。

 

行動障害が養育者の低い評価と拒否的な対応を受け、

より複雑に拡大されて強度行動障害となると考えられています。

 

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養育環境の基本は、

快適な刺激と不快な刺激の対比を7対3とするのが良いとされています。

 

しかし自閉性障害や知的障害を持つ子どもに対しては、

特異な行動にばかり対応しがちになるため、

快適な刺激と不快な刺激の対比原則が守られないことが非常に多いのが実情です。

 

養育環境の見直しを図るとともに、

特異な行動の意味を追求することを重視した取り組みの中で

「強度行動障害」という概念は定義付けられました。

 

養育を困難にする破壊的行動障害やレム睡眠行動障害は、

強度行動障害の下位分類の一つです。

 

ガラスや家具などを壊し、

その結果、

危害が本人にも周りにも及ぶ激しい物壊しである破壊的行動障害。

 

昼夜が逆転してしまい、

ベッドについていられず、

他人に危害を加えたり物を壊したりするレム睡眠行動障害。

 

いずれも強度行動障害の下位分類に当たります。
国は1993年4月1日付けで

「強度行動障害特別処遇事業の実施について」を通知、施行。

 

その中で強度行動障害児を知的障害児と限定する見方を示しています。

同事業そのものは、

2006年4月の障害者自立支援法施行によって

施設サービスが新しい施設事業体系に移行するのに伴って廃止されました。

 

事業そのものは廃止されても、

強度行動障害への理解が深まることが望まれます。

 

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