軽度知的障害の症状は改善できるのか?
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知的障害。わが子は、ゆっくりさんなだけだと思っていたら、3歳検診で、「検査を受けた方がよい」と言われた。
保育園で自分の子供だけ先生の指示が分かっていなかった。
小学校に入学したら、毎回テストは0点。次第に募る不安の中で、徐々に大きくなっていく「知的障害」という言葉。
多くは、小学校就学前後までに障害と向き合うことになるようです。
知的障害の中で、軽度ゆえの悩みとは、どのようなものでしょうか?
可能性への期待と周囲への説明の難しさ
知的障害とは、日本では、「知的発達の遅滞があり、他人との意思疎通が困難で、日常生活を営むのに援助を必要とするもの」と定義されています。
知能指数によって分類され、軽度知的障害は、知能指数が70以下51以上を指します。
軽度知的障害の場合、実際問題としては、健常児とあまり変わりなく生活できることも、少なくありません。
野外スポーツをすることもできます。
ただし、ルールを理解することは、難しいことが多いようです。
保護者は、子供が幼いうちほど、「いずれ、周りに追いつくはず」との期待を抱きます。
周囲も、軽度知的障害の場合は、知的障害と認めないことが少なくないようです。
子供が障害者と見られることへの抵抗感から、保護者も周囲への説明に苦慮し、周囲との人間関係がこじれるケースもあるようです。
軽度知的障害の子供も、検診で注意を喚起され、療育を勧められれば、療育を受けることができます。
多くは、3歳くらいから小学校入学前くらいまで、行なわれます。
積み木を先生の模範通りに組み立てるというような作業から始まり、徐々に高度の段階へと進みます。
日常生活の中でよくある場面を見せて、どうするかを考えさせたり、絵カードの内容と反対の場面を言わせたりして、知的な刺激を与え、日常生活を送りやすくするのが、療育です。
また、保護者が漠然と発達が遅れていると感じていることの原因を突き止め、その発達を促すにはどのようなことに注意したらよいのかをアドバイスしてくれます。
療育を早期に受けさせた場合、できることが増えやすいようです。
子供も、自分だけができないという思いにとらわれずに済むようです。
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→軽度知的障害とADHDが合併する事はある?治療はできるの?
療育手帳は要るのか?
知的障害を持っていることを公的に認定した場合に交付されるのが、療育手帳です。
手帳の呼び方は、自治体によって異なり、東京都では「愛の手帳」、埼玉県では「みどりの手帳」、名古屋市では「愛護手帳」という名称を使っています。
所持することで、公的な補助を受けやすくなります。
また、所持している人の話では、手帳を所持していることで、周囲への説明をしやすいと感じることもあるようです。
療育手帳は、自治体によって、判定基準が異なっています。
いくつに分類するか、知能指数のいくつからいくつまでをどのランクに判定するか、自治体によってまちまちなのが、実情です。
また、軽度知的障害の場合、ホームページで判定基準を設定していない自治体もあります。
2010年11月現在では、47都道府県と19政令市の計66の自治体のうち、軽度知的障害という段階を設定しているのは、35自治体でした
46.9%の自治体は、軽度という段階を設定していないことになります。
設定している自治体でも、保護者からの連絡を受けて、そのまま、なしのつぶてだったというケースも。
また、更新時に更新されないという問題も抱えやすいのが、軽度知的障害です。
保護者の逡巡以外に存在するこのような問題。
わが子の障害と向き合うことができるようになったら、療育手帳の申請は、ぜひ検討しておきたい課題です。
→3・4・5歳児の軽度と重度それぞれの知的障害の特徴と対応方法は?
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