赤ちゃんの超低体重児は発達障害の危険性?就学年齢までに追いつくのか?
1980年以降、徐々に増えている低出生体重児。
「小さく産んで大きく育てる」という言葉を耳にしますが、あまりに小さく生まれた赤ちゃんは、順調に育っていくのでしょうか?
生まれた時の体重が2500g未満の赤ちゃんを低出生体重児、1500g未満を極低出生体重児、1000g未満を超低出生体重児と呼んでいます。
特に小さく生まれた超低出生体重児の発達は、どうなのでしょうか?
むやみに体重増加を急がない
低出生体重児には、正期産に入ってから生まれた赤ちゃんと早産で生まれた赤ちゃんがいます。
発達が問題になりやすいのは、早産で生まれた赤ちゃんです。
ママのお腹の中の1日は、外の世界の3日~1週間に相当すると言われています。
36週0日で生まれた場合、37週0日で生まれた正期産の赤ちゃんよりも、21日~7週間くらいは発達がゆっくりだと考えられています。
妊娠37週未満で生まれた早産児は、正期産児に比べると、しばらくは身長や体重が小さいままで経過します。
小さいまま経過していると、多くのママは体重増加に焦りを感じます。
意図的に母乳から人工栄養に切り替えるママもいます。
しかし、低出生体重児に母乳を与えることは、成熟児に母乳を与える以上に、感染症を防いだり発達を支えたりする効果が認められています。
低出生体重児だからといって栄養摂取量をむやみに増やそうとしても、期待するほどに急速に発育することはありません。
また、体重が急激に増加した場合は、筋肉量や骨塩量の増加より、脂肪の蓄積が増えてしまう可能性があります。
むやみに体重増加を急がず、母乳を中心に育てていくことが良いとされています。
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知能の発達は?発達障害になりやすいのか⁈
在胎週数35~37週未満の低出生体重児の成長予後は、正期産児とほとんど変わらないと考えられています。
超低出生体重児では、お座りや一人歩きなどの運動面での発達は、正期産児に比べて2~3ヶ月ほど遅れるのが普通です。
脳や肺、心臓などに先天性の疾患が無く、少しずつでも順調に体重が増加していれば、1歳前後には、発達は追いついてくると言われています。
3歳くらいまでには、ほとんどの場合、運動面の発達も精神面の発達も追いつくとされています。
慢性肺疾患や心疾患といった合併症等で体調が安定しにくい子供では、乳児期から幼児期前半では、精神面の発達に遅滞が認められることもありますが、病気が良くなったり体格が向上したりすると、急速に発達が追いついてくることもあります。
ただし、超低出生体重児の約13%に脳性麻痺、約20%に精神遅滞が見られると言われています。
6歳児の知能検査の結果においても、出生時の体重が少ないほど、IQの平均値は低いとの報告もあります。
注意欠如多動性障害、学習障害、聴力障害も、成熟児と比べると多いと言われています。
極低出生体重児の約半数が学習障害のリスクを持つとの指摘もあります。
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