情緒障害の子供は高校進学は不可能?特別支援学級になるのか!
文部科学省における就学基準においては、
情緒障害教育の対象を発達障害である自閉症等と
心因性の選択性かん黙等のある子どもとしています。
小学校、
中学校に在籍する発達障害である
自閉症等と選択性かん黙等のある子どもは、
通常の学級もしくは
特別支援学級および通級による
指導において教育を受けています。
情緒障害の子供の中学校卒業後
情緒障害教育の目的は、
自閉症や心因性の
選択性かん黙などによる適応不全を改善することです。
そのため情緒障害教育では、
情緒の安定を図り、
円滑に集団に適応していくことなどが
できるようにすることを目標とします。
具体的な指導目標や指導内容は、
個々の児童生徒の状態やニーズに即して決められます。
基本的な生活習慣の確立を図ること、
適切に意思の交換を行うこと、
円滑な対人関係を築く方法を獲得すること、
目標を持って学習に取り組むこと、
不登校等による学習空白を埋める基礎的な学力を
身につけることなどが目標とされます。
情緒障害特別支援学級に在籍している児童生徒は、
障害も多様であり、
知的障害の程度も多様であると報告されています。
個別の指導計画は、
小学校では90.2%が作成されています。
しかし中学校では、
個別の指導計画を作成している割合は
39.7%とかなり低くなっています。
中学校になると、
小学校に比べて不登校の生徒が増えることも指摘されており、
指導計画の作成が難しい実態がうかがえます。
小学校で情緒障害特別支援学級に在籍していた児童の多くは、
中学校進学においても特別支援学級に進むとされています。
ただし中学校進学に際して
通常の学級に措置変更する児童も
5%前後いることが報告されています。
また通常の学級に措置変更はするものの
通級による指導を利用する児童も
2%前後いるとの調査結果もあります。
小学校における情緒障害教育によって
社会性の問題が軽減されたケースも想定されますが、
進学先の中学校に
情緒障害教育支援学級が設置されていないために
やむなく通常の学級に
措置変更したケースがあることも想定されます。
中学校での情緒障害教育支援学級数は、
小学校に設置されている数の半数以下との調査結果があります。
情緒障害教育では
関係機関の連携や情報の共有化がうたわれていますが、
実態が追いついていない様子がうかがわれます。
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高校への進学について
中学校を卒業した後の進路を決めるに当たっては、
一層の困難が伴います。
同じ自閉症スペクトラムであっても
知的障害を伴うか否かで指導内容は異なります。
不登校が見られるか否かによっても指導内容は異なります。
進路指導で担当教員は悩みます。
特別支援教育では、
専門家チームや巡回相談員等との
連携の必要性が指摘されていますが、
特別支援学級担任の相談への対応は
円滑になされているとは言いがたい状況のようです。
中学校情緒障害特別支援学校の
在籍生徒の60~70%は高等養護学校や
養護学校の高等部に進学しているとされます。
次いで全日制の高校ならびに
定時制・通信制の高校への進学が
20%前後いるとの調査結果もあります。
ただし多様な情緒障害教育の
対象生徒に対応する進路先は十分ではありません。
中学校卒業後、
受け皿となるサポート校が
見つからないまま就職したり施設に
通所・入所する子どももいます。
情緒障害教育を必要とする生徒を
対象にした高等教育の整備が求められます。
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